つぶして楽しい、こねても楽しい、団子作りもまた楽しい
幼児の頃から食材に慣れ親しませたのには目的もあった。子供たちに料理をさせたかったからだそうだ。
『これからは男の子も家事ができてあたり前。社会人になったら、ヒョウは家から追い出すつもりだから、料理に抵抗ない子に育てたかった』
という雪女さんは「料理は嫌いではないが得意でもない」そうで、作るものはいたってシンプルなものばかりだそうだ。いわく
『一人暮らししていた頃はたまに料理本を見たりしたけど、結局料理って ”焼く” か ”いためる” か ”煮る” か ”揚げる” か ”蒸す” か、じゃん。材料と味付けがかわるだけでさ~』
そんな格言(?)を持つ雪さんが子供たちに3歳からさせていることは ”コロッケ作り” だ。
ちょっと、ハードル高くない?
『んなことないよ~。(蒸したじゃがいもの)皮剥くのも、つぶすのも、材料入れて混ぜるのも、形つくるのも、衣つけるのも、ほとんど遊びみたいなものじゃん』
子どもに料理をさせるのは時間がかかるのはお約束。散らかされるのも覚悟の上。遊ばせていると思えば、忍耐も持つのか?
ちなみに雪家では小麦粉をふってとき卵にくぐらせてという過程の代わりに、水溶き小麦粉にどぶんとじゃがいも団子を浸けるんだそうだ。
『 形を作るまでヒョウとウサギの共同作業で、小麦粉につける係とパン粉をつける係のどちらになるかによって、”ネチャネチャ” コースと ”モサモサ” コースに分かれるわけ』
ネチャネチャはドロドロの小麦粉で、モサモサはパン粉の塊だ。
『低学年まではそこまでだったけど、高学年になったら ”揚げる” とこまでだねー。もうすっかりベテランだから、私が手伝うことはほとんどないよ~』
以前、ホームパーティのために20人分くらいの一口コロッケを作った時は4時間かかったらしい。子供に料理をさせるのは、一に忍耐、二に忍耐、だ。
そんなノリで、二人とも春巻きも餃子も包むのはおてのものらしい。
ガスの火では心配。でもホットプレートなら安心。
ヒョウくん中1の夏休み。そろそろ親の監督なしでも料理ができるようにと思った雪女さんが用意したものはホットプレートと小型のフライ返し2個だ。
『ガスの火を使うと火事が心配でもあるから目が離せないけど、ホットプレートなら、悪くってもやけどですむからね』
で、子供たちに3~4品野菜を選ばせて、炒め物を作らせた。
『ヒョウなんか、切るのが楽しくて全部の野菜をみじん切りみたいにしちゃったり、炒めるのが楽しくて火を通しすぎたりしてたね』
でも、夏休みが終わるころには立派な炒め物が出来るようになったそうだ。
冬休み。今度は料理の本から作りたい料理を選んで、台所で料理をさせることにした。
『ただし、普段我が家で使うようなシンプルな食材でできるもの限定だけどね。事前に何品か候補をあげさせて、材料を用意してあげて』
料理の本を見ながら自分で作ることを、二人ともとっても楽しんだらしい。1品作るのに30分くらいはかかるそうだが・・・。
『それまで二人とも台所は侵入禁止だったからね。ほぼ初めて台所を独占したことになるね~』
現在でも、基本台所は侵入禁止の雪家。なにゆえ?
『だって、ジャマだし、勝手に冷蔵庫あけて飲み食いされると、あてにしていた食材がなくなったりして困るじゃん』
だから二人とも未だに我が家の冷蔵庫あけたことないんだよ~、とビックリ発言が飛び出した。
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